動物の血圧と血圧測定の方法

動物の血圧と血圧測定の方法

当記事では、動物の血圧と血圧測定の方法についてご説明します。

血圧測定方法には観血法と非観血法があります。観血法は直接動脈にカテーテルを挿入するため、血圧測定において連続的、また低血圧の把握、更に血液分析するための採血も可能です。しかし測定手順が煩雑なため、一般的な血圧測定には非観血法(NIBP)が広く使用されています。

非観血法の測定方法にはコルトコフ法、ドプラ法、オシロメトリック法等がありますが、現在ではオシロメトリック法が主流になってきてます。

当記事では、犬や猫を中心に動物の血圧と血圧測定の方法をご紹介します。是非参考にしてください。

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血圧の基礎

まず血圧とは、心臓から送り出される血液が血管に与える圧力のことを言います。血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧があります。

収縮期血圧は心臓が収縮した際の血圧のことで、動脈にかかる圧力が高くなるため血圧は高くなります。いわゆる最高血圧です。

>>収縮期血圧について、詳しくはこちら!

拡張期血圧は心臓が膨張した際の血圧のことで、動脈にかかる圧力が低くなるため、血圧は低くなります。いわゆる最低血圧です。

>>拡張期血圧について、詳しくはこちら!

高血圧の場合、目や心臓、脳に症状が生じる場合があり、適切な対処が必要となります。低血圧の場合は、倦怠感や頭痛、めまいなどの症状が現れます。

人の血圧

血圧はmmHg(ミリメートル水銀柱)で表されます。

人の正常血圧は、最高血圧が120mmHg未満かつ最低血圧が80mmHg未満とされています。※病院での測定。

※【引用】e-ヘルスネット URL:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html?_ga=2.207664786.1091930342.1631067885-167798919.1631067885

高血圧の定義は上記の表のように定められていますが、低血圧の明確な基準は国内では定められていません。ただ、一般的には最高血圧100mmHg以下の場合が、低血圧とされます。

犬・猫の血圧

動物の血圧について、犬や猫の血圧についてご説明します。
犬や猫の正常血圧は、一般的には、最高血圧(SYS)が100~160mmHg、平均血圧(MEAN)80~120mmHg、最低血圧(DIA)が60~100mmHgとされています。最高血圧が160mmHg以上を持続している場合に高血圧とされ、最低血圧が80mmHg以下を持続している場合が低血圧とされています。

※最高血圧が80mmHg以下になった場合は早めの対処が求められます。

※他の動物に関する正常血圧について、キリンは最高血圧260/最低血圧160、ニワトリは最高血圧175/最低血圧145となっており、動物によって様々です。

【参考】
レファレンス協同データべース URL:https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000042630

動物(犬・猫)の血圧測定

ここでは、犬や猫の血圧測定方法についてのご説明いたします。動画がございますので、こちらを確認の上、以下の文章をお読みください。

※こちらの動画は、SunTech社の血圧計における測定方法であり、他社メーカーの場合は異なる場合がございます。ご了承ください。

 

正確な血圧測定を行う上で、カフの装着位置が重要となります。
犬や猫の血圧を測定する場合、前足の肘関節と手根関節の間に血圧カフを装着することが一般的であり、最も信頼性の高い血圧測定を行えます。しかし、犬や猫は人間の思い通りに静止してくれない場合もあり、患者が落ち着かない場合は、尾に装着します。尾に血圧カフを装着する場合、カフ位置と心臓の位置が、床から同じ高さになるように装着することが重要です。位置に差がある場合は測定下血圧値に誤差が生じます。(前足に装着する場合においても、心臓とカフ位置は同じ高さを保つ必要があります)

尾と前足に装着した場合の測定結果の違いについて、ほぼ同様となりますが、動脈硬化をはじめとした血管に関する疾患を持っている場合は、測定結果に差が出ることもあります。

カフのサイズについては、以下のようなものがあります。動物のサイズによって、最適なカフを選定してください。

※カフサイズ(推奨)
犬:装着箇所の周囲長の0.4~0.6倍幅
猫:装着箇所の周囲長の0.3~0.4倍幅
カフサイズが小さいと血圧は高めに測定され、カフサイズが大きいと低く測定される場合があります。

サイズ

幅×長さ

動物

#1

2.5cm×11cm

ハムスター

#2

3.2cm×14cm

#3

4cm×20cm

#4

5cm×25cm

#5

6cm×27cm

※メーカーによってカフサイズは異なるため、あくまで参考です。カフサイズは腕周によって決定してください。大型の場合は、カフが非標準品となる場合もありますので、メーカーに問い合わせください。

>>血圧カフに関して、詳しくはこちらを参照!



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