動物用人工呼吸器とテストラング

動物用人工呼吸器とテストラング

当記事では、動物用人工呼吸器において使用されるテストラングについてご説明させて頂きます。

テストラングとは

テストラングとは、動物用人工呼吸器のテスト作動を行う際に使用される器具です。テストの際は、麻酔器の患者口にテストラングを接続し、使用します。

>>用語解説:テストラングについて簡単に解説!

動物用人工呼吸器のテストラング

テストラングの材質

テストラングでは一定のコンプライアンスを持たせるため、主に、板にプラスチックを使用し、ラバーにはシリコンが使用されています。昨今では、カーボンファイバーを採用したテストラングもあり、材質が多様化しています。いずれにしても経年劣化によるコンプライアンスが変化しないように、バッグにはシリコンゴムが用いられています。
※人工呼吸器の動作チェックでは麻酔バッグは抵抗が全くありませんので代用できません。動作チェックを行う際は必ずテストラングを使用してください。

テストラングの交換頻度

テストラングは実際には手術を行う前に事前チェックで使用するためテストラングが汚染されているとその後麻酔回路に移ることで動物に悪影響を及ぼしかねませんので定期的なメインテナンスが必要です。

また、長期的に同じテストラングを使用していると、プラスチック部分の割れや、経年劣化によるシリコン部のリーク、破れなどが生じます。特にシリコン部の割れは、正常な動作確認ができない等の不具合につながりますので注意が必要ですが、気づきにくく、予防保全として定期的に交換することを推奨します。

テストラングのサイズ

テストラングのサイズには、いくつかの種類があります。例えば、人用の人工呼吸器に使用する場合、小児用0.5ℓと成人用1ℓとして使い分けます。麻酔用人工呼吸器で使用する際のテストラングは動作チェックが主なので指定はありません。

様々な機能を持つ高機能なテストラング

昨今、下記のような高機能なテストラングもあり、選択の幅が広がっています。
◆ALS5000テストラングは自発呼吸をテストラングが行い、一回換気量、吸気時間、呼吸数、コンプライアンス、レジスタンス、吸気フローパターンなどが変更できます。
◆ミシガンTTLテストラングはコンプライアンスとレジスタンスが可変出来るテストラングです。
◆メトラン社製テストラングは睡眠時無呼吸を主にシミュレート出来るテストラングです。無呼吸、低呼吸、
フローリミテーション、閉塞性無呼吸、中枢性無呼吸、チェーンストークス呼吸、ビオ呼吸等シミュレートでき更にCPAP、CPAP+PSV、SIMV,SIMV+PSV、ACMVなどの検査にも使用できます。
 

テストラングによる動物用人工呼吸器のテスト作動

動物用人工呼吸器において、テストラングを用いたテスト作動は以下のように行います。動物用人工呼吸器を適切に使用するためには、テスト作動が重要となりますので、是非参考にしてください。

【テストラングを用いたテスト作動】
1)麻酔器の患者口にテストラングを接続してください。

2)切替弁のレバーを麻酔器・呼吸器側に切り替えてください。

3)本装置背面の電源スイッチをONにしてください。

4)本体前面のモード切替スイッチを「強制換気」にしてください。最初の1秒間はLEDが全点灯しアラーム音が鳴ります。
→文字化けや音切れがないかを確認してください。

5)選択ボタンを押して設定したい項目を選びます。選択ボタンを押す毎に最大気道内圧→PEEP→呼吸回数→吸気時間→APNEAと点滅が順次移動します。点滅中に数値設定ツマミを回すと設定表示内の数値を変更できます。数値を設定すると確認音が鳴ります。自動設定ボタンを押すと点滅と設定音が消えてアラーム設定値を自動設定します。
各設定を変更した場合は再度自動設定ボタンを必ず押してください。
→設定変更に伴い、テストラングの膨らみ方が変わるか確認してください。

6)低圧、高圧、回路外れ、電源異常を意図的に起こしてください。
→正常に各エラーを検知するか確認してください。

7)換気動作中にジェットボタンを押すとジェット用チューブに動作が切り替わります。
→ジェット用チューブから送気されるか確認してください。確認後、再度ジェットボタンを押して、呼吸回路接続口からガスが出ることを確認してください。

8)テスト動作が終了したらモード切替スイッチを「切」にしてください。

>>動物用人工呼吸器”COMPOS X”の使用前準備・操作方法はこちら!

動物用人工呼吸器やテストラングについて、私たちにご相談ください!

動物用人工呼吸器のテスト作動に使用するテストラングについてご説明させて頂きました。動物用医療機器.comを運営するメトランは、動物用人工呼吸器やその付帯器具を取り扱っています。テストラングを用いた最適なテスト作動についてもご説明させて頂きますので、不明点がございましたらお気軽にお問合せください。

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