動物用人工呼吸器のパイオニアメーカーである株式会社メトランが、医療機器のトラブル事例や製品情報を紹介しています。
V60 動物用気化器の取扱い説明
使用前準備・操作方法



使用前準備・操作方法

 

気化器の各部名称

【正面】1.「0」ボタン 2.コントロール ダイヤル 3.薬液充填部  4.麻酔薬カラーマーク   5.液面計 6.排液ノブ

 

気化器の外観(背面)

【背面】1.ロッキングレバー用ハンドル 2.インターロック装置 3.ロッキングピン

 

 

コントロールダイアルの機能および濃度の調整

コントロールダイヤルは、麻酔薬の出力濃度を設定するためのものです。コントロールダイヤルには、気化器からの麻酔薬の出力濃度が表示されています。ダイヤルを回した目盛りは、出力濃度を示しています。

・気化器の「0」ボタンはロック機能があります。コントロールダイヤルを回す前に、このボタンを最初に押してください。

*気化器を高温で保存した後に使用すると、供給される麻酔薬の濃度が高くなることがあります。圧力の均一化を可能にするため、麻酔ワークステーションを接続した後は、必ずコントロールダイヤルを1%にし、15秒以上待ってください。

【機 能】 接続とインターロック装置

麻酔システムが複数の気化器に接続されている場合、気化器のインターロック装置により、他の気化器がオフにされブロックされている間、1つの気化器だけが常にオンにすることができます。

この気化器は、Ohmeda Selectatec®互換のマニホールドシステムを備えた麻酔システムに適用されます。気化器のプラグインアダプタの穴は、麻酔システムのプラグインコネクタのピンに嵌合します。( コネクタにはシールリング(定期交換部品)が漏れ防止のために備わっています)

 

 

 

操作方法 気化器の接続と取り外し

・気化器を接続/取り外しするには、コントロールダイヤルがロック状態を示す “0 “になっている必要があります。

①【接続方法】ロックレバーのハンドルを押し、ハンドルを時計回りに90°回して気化器をロックします。

②【取り外し】反時計回りに90°回してロックを解除してください。(ロックレバーが自動的に持ち上がり気化器をマウントから取り外すことができます)

 

 

 

麻酔薬の充填方法(イソフルランとセボフルラン)

イソフルラン気化器はポーフィルシステム(直注式)です。 セボフルラン気化器は麻酔薬剤の誤混入を防止するためクイックフィルシステムを採用しています。専用のアダプタが必要です。

【イソフルラン気化器の充填方法】(写真はセボフルラン気化器のポーフィルシステム)

   1.「0」ボタンが飛び出すまで、コントロールダイヤルを時計回りに回して「0」の位置に戻してください。

   2.充填キャップをゆっくり緩めて、気化器内の圧力をゆっくり逃がすようにします。

 警告1)ダイヤルが 「0 」の位置に戻らないと、麻酔薬の蒸気が大量に漏れることがあります。

 警告2)コントロールダイヤルを「 0 」の位置に設定した後、気化器を開く前に少なくとも 5 秒待ってください。 これにより、圧力が均衡し、新鮮ガスと麻酔薬の蒸気が気化器から漏れるのを防ぐことができます。

 3.気化器と麻酔薬ボトルの麻酔薬名とカラーマークが一致しているかどうかを確認します。正しい薬剤が使用されている場合は、麻酔薬ボトルのキャップを外してください。麻酔薬を充填コネクタにゆっくりと注ぎます。④の写真

 4.充填中に液面計で充填レベルを確認します。このチェックの間、気化器は垂直に吊るされるか、直立させてください。充填中、充填レベルがMaxマークを超えないようにしないと、出力濃度が正しくならない危険性があります。Maxマークを超えた場合、薬剤が流出します。充填レベルがMaxマークより下がるまで、余分な薬剤を排出してください(4.3 気化器の排液を参照)

 5.Maxマークに達したら、薬剤の注入を中止してください。気化器がMaxマークより数ミリでも多く充填されると、麻酔薬がオーバーフローして溢れ出します。

 6.充填キャップを時計回りに締め付けます。これが正しく行われないと、次に気化器のスイッチを入れたときに、新鮮ガスと麻酔薬が漏れることがあります。

 7.麻酔薬ボトルのキャップは、ボトルが完全に空になったとしても締めてください。

 

 

 

【セボフルラン気化器の充填の方法(Quik-Filシステム)】

   1.「0」ボタンが飛び出すまで、コントロールダイヤルを時計回りに回して「0」の位置に戻してください。

 2.麻酔薬に対応したQuik-Filアダプタと麻酔薬ボトルを選択します。 

 3.麻酔薬ボトルのキャップを外し、ボトルとQuik-Filアダプタに損傷がないことを確認します。

 4.Quik-Filアダプタを麻酔薬ボトルにしっかりと差し込みます。

 5.充填キャップを外し、Quik-Filアダプタを装着したボトルを充填コネクタに挿入してください。ボトルを軽く回転させ、Quik-Filアダプタを充填コネクタのスロットに合わせます。    

  6.麻酔薬が気化器に流れ始めるまでボトルを押してください。

  7.充填中、液面計で充填量を確認します。Maxマークに達したらボトルを押すのを止めます。そして、ゆっくりとボトルを 引き抜きます。気化器がMaxマークより数ミリでも多く充填されると麻酔薬が溢れ出します。

 8.充填キャップのシールリングが破損していないことを確認し充填キャップを閉めます。

 9.Quik-Filアダプタを取り外します。

10.麻酔薬ボトルのキャップは、完全に空になったとしても締めてください。

 

麻酔薬の排液について(イソフルラン気化器・セボフルラン気化器共通)

1.「0」ボタンが飛び出すまで、コントロールダイヤルを時計回りに回して「0」の位置に戻します。

2.排液する麻酔薬に合ったボトルを、気化器の底にある排液口の下に持っていきます。 (写真②)

3.充填キャップを反時計回りにゆっくり緩めます。(写真③)

4.充填キャップ内側の先端で排液ノブを反時計回りに3~4回転させる。液面計に麻酔薬が

 見えなくなり、ボトルに麻酔薬が流れ込まなくなるまで排液します。(写真④)

 必要に応じて、排液ノブを素早く閉じ、新しいボトルで排液作業を続けます。

 注)ウィックから麻酔薬を取り除く必要がある場合は、「取説の4.4 気化器の残留麻酔薬の

 吹き飛ばし」を参照してください。  

5.気化器が完全に排液されたら、排液ノブを時計回りに閉じます。

6.麻酔薬ボトルのキャップは、ボトルが完全に空になったとしても締めてください。

7.充填キャップを締めます。

 

【気化器のスイッチオフ】

1.誤ってスイッチが入るのを防ぐため、「0」ボタンが飛び出すまでコントロールダイヤルを時計回りに回します。

2.必要であれば、麻酔システムの新鮮ガスの流れを止めます。

警告)気化器は、新鮮ガスが流れていない状態で決してスイッチを切ってはいけません。そうしないと、高濃度の麻酔薬の蒸気が機械の回路や周囲の空気に入り込み、人や動物に害を及ぼすことがあります。

3.6ヶ月間使用しないのであれば、気化器内の麻酔薬を抜いておく必要があります。

4.気化器が麻酔システムの上に残っている場合:

  1)プラグインアダプタのロックレバーは、ロックされたままにしておいてください。

  2)温度・湿度の許容範囲内でご使用ください。

  3)麻酔薬の使用期限を守ってください。

5.気化器を麻酔システムから取り外す必要がある場合は、「6.4 気化器の取り外しおよび6.5 充填時の移動」を

  参照してください。

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